カード考察 カード考察(パイオニア) パイオニア

《軍備放棄》コントロール視点の考察(パイオニア)

2023年3月23日

※この記事はパイオニア青白コントロール側の視線で書いています。

《軍備放棄》は1マナ除去であり、とても有効な1枚ですが、平地をたくさん採用しなければいけないデメリットを青白コントロールは許容できない事情があり、デメリットをメリットが上回ることが難しい1枚という考察です。

メリット

《軍事放棄》は終盤にも効果的に働くので4枚採用できる

追放除去なので、死亡誘発や墓地からのリアニメイトに対応している。

《ポータブル・ホール》と比較すると

現在のパイオニア青白コントロールにとってプレイアブルな1マナ除去は《ポータブル・ホール》しかありません。しかし、《ポータブル・ホール》は全ての2マナ以下のパーマネントに対応できますが、3マナ以上のパーマネントには無力であり、対応できる幅は広いようでむしろ狭いです。アグロやウィニーに対してサイドボードに4枚採用しているリストはよく見ますが、メインに4枚採用するに至りません。

《軍備放棄》のメリットは中盤〜終盤にかけて3マナ以上のクリーチャーに対しても有効に働くことであり、メインに4枚採用できること。《ポータブル・ホール》のように破壊されて場に戻ってくることもない。念願の1マナ追放除去です。3点ゲインは見舞い金としてプレゼントしましょう。デメリットではありますが、コントロールにとっては些細なものです。

デメリット

《大草原の川》を4枚採用するためアンタップインランドが増える。

平地の枚数を確保するため、《氷河の城砦》《さびれた浜》などの2色ランドを減らした結果、色マナ拘束の激しい《吸収》《至高の評決》の4枚採用は難しい。

平地の枚数を増やしたいため、《皇国の地、永岩城》などが採用しにくい。

《軍備放棄》を使用するにはデッキ内の土地を半分以上を平地にしなければなりません。平地の適正枚数ですが、50%を平地にする場合、計算上は2ターン目には1マナクリーチャーを対象に、4ターン目なら2マナクリーチャーを対象にできます。もっとも安定して《軍備放棄》を強く使うには26枚の土地に対して19枚を平地にする必要があります。全体の73%を平地にすることで4ターン目には3マナのクリーチャーを対象にできます。19枚が最も多いベターな枚数であると言えます。

平地でありタップインである《大草原の川》を採用

《軍事放棄》を使う場合は《神聖なる泉》《灌漑農地》に加えて《大草原の川》を使用します。《大草原の川》はアンタップ状態で場に出るには少なくとも3ターン目以降になりますが、実際のところ3ターン目に条件を満たす確率はほぼありません。

4ターン目に条件を満たすには場に出ている土地3枚に2枚が基本地形である、つまり66%が基本地形であるということです。26枚の土地であれば19枚を基本地形にすれば数字上ではあり得ます。5ターン目アンタップには13枚。6ターン目では5枚必要です。6ターン目以降は土地配分で無理をせずにアンタップ状態で場に出すことが出来ます。

確率の話なので何回かプレイを重ねれば3ターン目にアンタップ状態で出ることもあると思いますが、安定しているとは言えません。《草原の大川》はタップインの土地として数えた方が良いでしょう。

青白コントロールのタップインランド許容枚数は5.5枚。

少なければ少ないほど良いが多くて6枚。1ターン目のアクションはないので、1ターン目には安全にタップ状態で場に出せますが、それ以降はタップインを許してしまうと、テンポ負けします。

5ターン目まで毎ターン土地が出たとしてその内の1枚がタップイン土地である場合はデッキに入れた20%がタップインということです。つまり土地26枚の内タップインの最大許容枚数は5.2枚です。

《灌漑農地》と併せて《草原の大川》を使えば計8枚になり、テンポロスが生まれてしまいます。2ターン目のアクションに支障が出たり、4ターン目の《放浪皇》や《至高の評決》がプレイできない状況が致命傷になります。

1マナの《軍備放棄》は通常なら速く展開してくるデッキに強いカードであるはずがタップインランド《大草原の川》の採用によりデッキ全体の動きは速く展開するデッキに不利が上乗せされます。

平地19枚を確保ために《氷河の城砦》《さびれた浜》を不採用

上記にある平地19枚を確保するために《氷河の城砦》《さびれた浜》を不採用にして、その枚数分を基本地形《平地》《島》で採用します。

2色ランド2枚→平地1枚 島1枚 にすることで各色マナ発生源の枚数をそろえて事故を減らします。

色マナ拘束が激しい《吸収》《至高の評決》を減らす

青白コントロールの強さを支える以下2枚《吸収》《至高の評決》の色マナ支払いが厳しい。

安定して3ターン目《吸収》4ターン目《至高の評決》をプレイするなら2色土地を削れません。それが《平地》より《草原の大川》が優先される理由です。それでもマナ基盤が不安定になるので、《軍備放棄》を使用したリストは《吸収》《至高の評決》の枚数を減らしているものがほとんどです。

余談ですが、《廃墟の地》が3ターン目までに出た場合は3ターン目《吸収》を諦めなければなりません。

《大草原の川》と基本地形《平地》の採用枚数の妥協点を探る。

平地の枚数を19枚にするには上記の3種類の平地以外に基本地形《平地》をあと7枚採用することになります。さらに、タップインの土地《大草原の川》を4枚採用したくないのなら、アンタップインである基本地形《平地》の枚数をその分を増やすことになります。こうして、平地の枚数を満たそうとすると、今度は2色土地の枚数が減り、色マナ事故を招くことにつながります。

まとめ

私自身が1マナ追放除去を必要に駆られて何回も《軍備放棄》を採用したデッキで大会に出ましたが、無類の強さを誇る《吸収》《至高の評決》を4枚ずつ使用することが何より最強と考えると《軍備放棄》を諦めた方が良いという結論に至りました。将来、《神聖なる泉》のようにアンタップインで平地でもある2色土地が現れたら《軍備放棄》はきっと青白コントロールの戦力になってくれるでしょう。

《さびれた浜》《氷河の城砦》が平地でだったらなぁ。
最近のカードはバランスが取られたデザインが多いですね。ただ強い除去はなかなか刷られませんね。

《軍備放棄》を採用したデッキリスト

以下のリストはプロツアーファイレクシアでGregory Johnsonが使用した《軍備放棄》4枚採用の青白コントロールです。10戦7勝の成績を残していることから《軍備放棄》はプレイアブルな1枚であることは間違いありません。

やはり《至高の評決》《吸収》は4枚採用しずらいようです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

MTGデッキリストビューアでデッキリストを画像化しました。画像がないところはまだ登録されていないガードです。

広告:15時までの注文で超速即日発送!トレカ専門通販サイト、カーナベル

-カード考察, カード考察(パイオニア), パイオニア
-, ,